RaceReport/2007/ソーラーカーレース鈴鹿

Last-modified: 2009-10-09 (金) 15:35:49 (5318d)
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2007年鈴鹿で行われた、ソーラーカーレースにお手伝いに行ったので、レポートします。

1 始まり

事の発端は、元うちの社員だった山本君(現愛知工科大4年)から、2006年暮れ(だったかな)、エコカーを見せて欲しいと言われたことでした。

事情を聞くと、ソーラーカーを作って、鈴鹿のレースのエンジョイクラスに出ると言うではありませんか。

面白そうだから、手伝わせて貰うことに、、、、

2 困った事に 

ただ、ふたを開けて見れば、資金不足から、パネルの購入やら、モーターの購入など、さまざまな問題があり、普通にソーラーカーを作れないことが判明したのでした。

これらの問題を一気に解決するには、WEMの特大サイズを作れば良いのではと、言う適当な発想から、今回の車両のコンセプトが、生まれました。

モーターは、ミツバの1048を2個、バッテリーは古河電池のFPX12240にしました。

設計を始めてすぐ、会社経営のサーキット(愛知県蒲郡市西浦町、スパ西浦モーターパーク)のオープンに合わせ、レンタルカートの製作をする事になり、バッテリーを使ったEVカートやらの設計、製作も平行してやっていて、なんだか、頭の中がこんがらがりつつ、進めていた物の、力及ばず、遂に時間切れとなり、細かな部分は学生さんたちが、現物あわせで作っていく事になるのですが、これが車検の時に大問題になる事に。(笑)

3 そして、鈴鹿に

ほぼ1ヶ月間の間、学校に泊り込むような状態で、何とか8月3日(金)に、車検に持っていけたものの、当然のように山ほどの改修指示を貰ったうえ思いっきり説教されて落っこちたのでした。

この時、鈴鹿の車検を担当していた、友人に聞いたのですが、決勝には間に合わないとみんなおもったそうです。(私も、身内で無ければ、あきらめたとおもいます)

私、(いっきゅう)は、金曜まで仕事で、終わって状況を確認できたのは、夜7時でした。

電話で確認して、かなり不味い状況を聞き、取り急ぎご飯や風呂をすませ、3時間だけ寝て、鈴鹿に向かいました。

着いて直ぐに、指摘事項の車検対策用の暫定改修をしました。

舵の切れ角不足は、トーイン増やしたり、ブレーキ、バックミラー、バッテリー固定など、

車検に取り合えず合致するレベルぎりぎりまで、まんべん無く対策しました。

それでも、結局予定の時間には間に合わず、30分遅れで、何とか合格させました。というか、させてくれました。

4 8月4日予選

といった感じで8月4日は始まった訳ですが、本来なら、公式予選などと言う物があり、車検合格なので走っても良いのですが、このまま走ると、えらい事になるので、車検後すぐに、予選をキャンセルして配線や、メカ部品を分解して、再整備する事に。

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同時に、決勝走行用の嘆願書を、準備しました。(予選前に行くと受け付けて貰えません、予選終了後30分以内に出しましょう)

学生さん達は、不眠不休なので、予選時間を使って、決勝用の調整をした方が、睡眠時間が、取れると考えたからで、本来なら走ったほうが良いのですが、無理をすると元も子も無くなってしまうので、安全策を取りました。

丸1日かけ、配線の最適化や(部品が無いので、アーシング用の配線でウインカーの配線がしてあったり)、機械部品の強度不足箇所(ハンドルを動かすと緩んでしまう固定ナットなど)の補強などをやり、午後にはいって、速度計の検出部を、駆動輪に付け換えて、無負荷最高速度を確認したところ、35キロに遠く及ばないことが判明し、自転車屋さんに電話を掛け捲り、なんとかスプロケットのセットを、安城と、岡崎で確保、作業を5時で終了し、自転車屋巡りに出かけました。

翌日の作業開始を3時に設定し、学生さんは宿に戻って早寝してもらいました。

おりしも、岡崎市は、年に1度の花火大会。市内は大渋滞で、店に着いたら既に8時を回っており、部品を受け取って、店を出た途端に、曇っていた空から大粒の雨が、、、

花火見物のお客が一斉に車で移動をはじめたので、普段であれば10分かからない家までの道が、1時間以上かかる事に(何てついて無い)

5 8月5日決勝当日

昨日よりさらに短い1時間半睡眠で、再び鈴鹿に向かいました。

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とりあえず、ボデイシェルをかぶせる準備と、ギアの交換などと共に、バッテリーの追い充電の準備を始めました。

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ところがここで、さらに問題が。(笑)

最初充電器が壊れたのかと思い、色々調べていて、テスターでバッテリーの単品チェックをしていて、8個のうち1個が、端子の根っこで、物理破損しているらしいことが判明しました。(ホントついて無い)

スペアバッテリーは無いし、他のチームはまだ来ていないので、まずはオフィシャルの技術に、登録してないバッテリーの使用許諾判断を打診し、車両の作業を続けました。

千葉黎明高校さんなど、普段から交流のあるチームにスペアの手持ちを確認したのですが、そんな都合よく持っているチームもあるわけは無く、たまたま持ていらした職業能力開発総合大学さんに、無理を言ってお借りして何とか車両を完成させることが出来ました。

オフィシャルの方から、確認無しで、コースに出すのはまずいのでは、との意見を受けて、直前にピット裏の通路を使って、走行テストをしました。

ピットから人が出てこないように、オフィシャルさんたちにピット前に人垣作って貰って無理やりです。(笑)

技術オフィシャルの方にも大変後迷惑をおかけしました。

と、そんな事をしているうちに、とっくにレースはスタートして、2分遅れでのピットスタートで、決勝に参加できました。

最初の1コーナーで、ハンドルきり損ねて、コースアウトして、終わったと思ったら、再スタートして、そのまま何とか走り続け約1時間、6周回ったところで、ハンドルシャフトに回り止めに打ち込んでいたボルトが折れて、リタイヤでした。

周回ラップは8分30秒で回れていたので、残念でした。

車両を、回収して確認すると、キャンバーとトーインのアンバランスから、タイヤは、既に、激しく磨耗しており、事前テストの必要性を、再確認させられました。

こんなドタバタで、好結果が出るわけも無く、リタイヤは、当然でした。

こんな車で、、自分のチームも含めて、誰も怪我する事も無く、予選に通って決勝も走れて良かったです。

でも、つかれた。

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