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2010/11/29(Mon)
破断部分の拡大写真である。
写真では、判り難いので、図で示してみる。 破断部分は、黒っぽくなって、クラック後、力が加わって表面に、摩擦痕のようなものがついている部分が少しあり、一気に破断したのではなく、2回に分けて破断したらしい痕跡がある。 クラックは、キー溝を基点にして、発生している。
以上が、破断面を観察してわかる部分。
このハブ部分の破断は、実は構造的に破断を起こしやすいところがあるので、それについて、説明する。
タイヤからの入力を、シャフトを経由して、ブレーキディスクに伝えているので、シャフトにねじり応力が、加わるのである。
こういった構造の場合、シャフトの容量を、大きくしておかないと、破断のような、故障を誘発しやすい。 しかし、シャフトを太くすると、イナーシャの増大や、ベアリングの大型化による、転がり抵抗の増大が、発生する。
かつて、1970年代のF1で、インボードディスクブレーキが、大流行したときに、同様の事故が多発した。
自分としては、ブレーキの使用回数が、少ないので問題ないと考えていたが、キーの設置箇所が、ねじり+まげ応力が加わる、タイヤ側になっていたことで、予想以上の、短寿命になってしまったと考えている。 さらに、締結用のボルトが、全ねじであったことも見逃せない原因であった、不完全ねじ部を持った、ボルトであれば、ボルトの破断は避けられたかもしれない。
同様の構造を、フロントブレーキに採用する場合、キー構造を、ストレートキーにするのではなく、応力集中の少ない丸キーにして、ブレーキ側にするような設計にして、かつ、両輪に設置するべきであると考える。
もっとも、恐ろしいのは、ブレーキがまったく利かない状態になることで、かつてのF1でも、これによって、死亡事故が発生している。
市販車両でも、インボードディスクの車両があるが、採用しているのは、リアブレーキだけの物が多い。(アルファロメオ75など)
ただ、この方法にすると、ベアリングが、ハブの中心よりも外側に設置できるなどの、転がり低減のメリットも多い。 設計検討さえしっかりやれば、問題は発生しないと思う。
最後に、F1で、流行したのは、ホイールの外径が13インチに規定されているため、ブレーキ容量の大きなブレーキを付けたくても、ホイールに入らないという、もう少し切実な理由があるので、エコランの採用理由とは、少し違います。
by ikkyu |
2010/11/29 18:27:57 |
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